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Pari's blog

[NDI] Cubaseの音をOBSに送る[UR22C]

[NDI] Cubaseの音をOBSに送る[UR22C]

これは何?

配信環境を整えたので、その記録

ざっくりいうと、次の構成で、楽器の練習の様子をOBSで配信・録画できるような構成です。

  • OS: Windows 11
  • DAW: Cubase 13
  • オーディオインターフェイス: UR22C
  • 配信ソフト: OBS
  • その他ソフト: NDI Tools

結構時間が掛かったので、備忘録として。この方法で、入出力デバイスとしてUR22Cを指定しつつ、音声信号をOBSへ送信できます。

※ MacOSについて。今回は詳しく検証していませんが、一通りMacでも試しました。結論、「無理じゃね?」となっています。少なくとも今回の方法で軽く作ってみましたが上手くいきませんでした。具体的にはNDIのMac用の実装が執筆時点で存在しないからです。Windows用のものを流用できるかどうかは試していません。

全体構成図

まず全体構成は、こんな感じ。

      sequenceDiagram
    actor USER as 私
    participant INST as 楽器
    participant AUIF as UR22C
    participant DAW as Cubase
    participant MIC as デスクトップ音声
    participant OBS as OBS
    participant MONIT as ヘッドホン
    par
      Note over AUIF: A. 演奏した音などをミックスしてOBSに送る!
      USER->>INST: A.1. 演奏
      INST->>AUIF: A.2. オーディオインターフェイスに信号を送る
      AUIF->>DAW: A.3. PCに信号を送る
      DAW->>OBS: A.4. OBSに信号を送る(※)
    end
    par
      Note over MIC: B. 声や映像は単体でOBSに送る!
      MIC->>OBS: B.1. OBSに信号を送る(※)
    end
    par
      Note over MONIT: C. モニター
      AUIF->>MONIT: 演奏内容をヘッドホンに送る
      MONIT->>USER: 全てをミックスした音を聞ける!
    end
  

ネックになるのは、

  • Cubaseとオーディオインターフェイスの音をOBSに送る方法。
    結論として、Cubaseは入出力のASIOデバイスを分離できないので、VSTプラグインを利用する必要がある。VSTプラグインが使えて、他のアプリケーション(今回はOBS)に信号を送ることができる仕組みがNDI、というワケ。

インストールするもの一覧

この順でインストールするのがオススメです(Cubaseはなるべく後に)。

  1. Yamaha Steinberg USB Driver (無料)

    CuabseがUR22C を認識するために必要なもの

  2. TOOLS for UR-C (無料)

    dspMixFxがインストールできる (楽器からの入力信号をオーディオインターフェイス側で処理(軽いプリアンプとかエフェクトとか)できるやつ)

  3. Cubase 13 (Steinberg Download Assistant) (13,200~69,300円)

    Cubaseです。ダウンロードに関する構造がやたら複雑 (海賊版への懸念か?)

    Download Assistant → Activation Manager → Library Manager

    の順でインストールが必要

  4. OBS-NDI (無料)

    OBSでNDIの入力、出力を受け付けられるようにするやつ

  5. NDI Tools (無料・要登録(?))

    NDI はNetwork Device Interfaceで、たぶん音声信号とかをローカルネットワークに乗せて 他のアプリケーションから利用できるようにしたやつ。

  6. OBS (無料)

    配信用ソフト

  7. UR22C (25,000円前後)

    オーディオインターフェイスはハードウェアなので、インストールじゃないんですが、必要なものとして列挙しました。

    ※ インストールは本来は「取り付け」ぐらいの意味のはずで、ハードウェアもインストールで間違ってないのですが、 「ハードウェアのインストール」というのは、メモリを増設したり、PCIeデバイスを追加で取り付けたり、 そういうPC組み立ての文脈で使われがちな言葉な気がします。 ので、オーディオインターフェイスを購入して、配線することがインストールかと言われるとかなり微妙だとは思いますが、 広い意味ではインストールで間違ってないと思います。(←オタク特有の早口)

※ elicenserに関する警告でスタックした場合、

  • ①Cubaseを終了する
  • ②タスクマネージャーでelicenserのプロセスをKill

で再試行できるようになります。

e-license に関するエラー

配線

今回の話の配線です。

      graph LR
    USER[私] --> |持つ| INST[ギター]
    INST     --> |2番につなぐ|DAW(UR22C)
    DAW      --> |USBでつなぐ|パソコン
  
  • ギターやベースは UR22CのInput2につなぐ必要があります。
    Input2にはHi-Z(ハイ・インピーダンス)のスイッチがあるため、ここに繋いでスイッチをONにする。 逆にInput1にはファンタム電源が繋げられるので、コンデンサマイクをつなぐ場合はInput1につなぐと良いです。
  • UR22Cとパソコンの接続はUSB 3.0が必要です。 TypeC-TypeC でつなぐのが簡単です。
    ずっと点滅している場合、上手く行っていません。
    PC側のUSBポートか、USBケーブルのどちらかに問題がある場合がほとんどです。

設定手順

      sequenceDiagram
    actor USER as 私
    participant INST as 楽器
    participant AUIF as UR22C
    participant DAW as Cubase
    Note over AUIF: A. 演奏した音などをミックスしてOBSに送る!
    USER->>INST: A.1. 演奏
    INST->>AUIF: A.2. オーディオインターフェイスに信号を送る
    AUIF->>DAW: A.3. PCに信号を送る
    DAW->>OBS: A.4. OBSに信号を送る
  
  • A.1. Cubase、dspMixFx、OBSを起動する

  • A.2. Cubaseの「スタジオ設定」にて「ASIOドライバー」を「Yamaha Steinberg USB ASIO」に設定する Cubase スタジオ設定→ASIOドライバーの選択

  • A.3. Cubaseの「スタジオ」→「オーディオコネクション」にて、入出力をCubaseにつなぐ

    • 入力は「Mono 1」,「 Mono 2」 を作っておく方が後で取り回ししやすい。
    • 出力はそのままで良い。

    ※ OBS上の音をフィードバックさせてモニターしたい場合 (デスクトップ上の音を聞きたいなど)、 更にもう①系統(図では「Mono Response」)を作っておくと良いです。 Cubase 入力コネクションの選択 Cubase 出力コネクションの選択

  • A.4. Cubaseの入出力をNDIでOBSにつなぐ

    1. F3でMixConsoleを開きます。
    2. 図のように、「Stereo Out」に「NDI Output」を挿入します。
      チャンネル数は16chと、すべてにしています。全部のチャンネルのミックスをOBSに送りたいからです。 Cubase MixConsoleの調整 - 出力側
    3. 図のように、「Mono Response」に「NDI Input」を挿入します。
      Cubase MixConsoleの調整 - 入力側

    これでCubaseから外部に音声信号を送信できるようになりました。

  • A.5. OBS側でNDIを受け入れる設定を行う

    1. 「ツール」→「NDI Output」を開きます。 OBS NDI入力設定

    2. 「Main Output」にチェックを入れて「OK」で画面を閉じます。。 OBS NDI入力設定

    3. 「ソース」の「音声入力キャプチャ」に項目が増えているはずです。
      Line (4-Steinberg UR22C) を選択すればMixされた音を入力することができます。 OBS NDI入力設定

他の部分の設定方法

一応、こんな感じに分けたのですけど、B, Cはあまり問題にならないと思うので省略します。

  • A: 演奏した音などをミックスしてOBSに送る
  • B: デスクトップ音声をOBSに送る
  • C: モニターで聞く

謎の部分

モニターに関しては、原理はよく分かっていませんが、オーディオインターフェイスからのPhone出力でなぜかデスクトップの音声も聞けています(謎すぎ)。

  1. Cubaseの音は UR22CとOBSに送信されます(これが今回の目的)。
      sequenceDiagram
    participant DAW as Cubase
    participant AUIF as UR22C→ヘッドフォン
    participant MIC as デスクトップ音声
    participant OBS as OBS
    participant MONIT as ヘッドホン
    DAW->>AUIF: CubaseでMixされた音
    DAW->>OBS: CubaseでMixされた音 (NDI経由)
  
  1. しかし、デスクトップ音声もヘッドフォンから聞こえてきます←!!?!?!?!!???!?
      sequenceDiagram
    participant DAW as Cubase
    participant AUIF as UR22C→ヘッドフォン
    participant MIC as デスクトップ音声
    participant OBS as OBS
    participant MONIT as ヘッドホン
    MIC->>OBS: USBマイクやYoutubeなどの<br>デスクトップ音声
    MIC->>AUIF: デスクトップ音声<br>(どうやって送り込んでる??)
  

結果的には特に設定をしなくてもデスクトップ音声をモニターできるので何の問題もないのですが、原理が分からないことにはトラブル対応もできないので、気持ち悪いですね。(NDIをインストールしたことで“よしなに”やってくれている、、??)

この部分はまた今度機会があれば検証したいと思います。